初ミュージカル

keins_jin2011-10-20

 現在坊ちゃん劇場でミュージカル「誓いのコイン」が公演されている事を知っていますか?坊ちゃん劇場は2007年に西日本初の地域文化発信の常設劇場として設立され、「誓いのコイン」が公演作品の6作目になります。役者さんを含め、スタッフも日本でもトップレベルの人達が関わっておられます。ある意味、このような地方で一流スタッフが関わった作品を生で見ることが出来るというチャンスを逃す手はありません。http://www.botchan.co.jp/index.html
 坊ちゃん劇場は設立当初から知っていましたし、興味本位でロビーまで見学に行ったことはありますが、そもそもの”ミュージカル”作品という時点で敬遠していました。まさに”食わず嫌い”で損をしていたタイプです。中学の時に宝塚歌劇を見に行った時も8割眠っていました(今考えればもったいない(笑))。その私が先日この「誓いのコイン」を観劇し、まさに感動、感激したのです。そもそも行くきっかけは坊ちゃん劇場の営業の方が会社訪をして頂いたことです。坊ちゃん劇場の設立秘話、私財を投じて設立した設立者の熱い想い、過去の作品と今回の「誓いのコイン」の話・・・営業の方の話を聞いているだけで「これは行かなくては!」と強く感じたのです。ある意味「感動させる営業」でもありました。一般のお客様はもちろんですが、県内を中心とした法人への営業にも力を入れており、既に多くの企業が会社の行事(教育・研修)として観劇されているという事でした。キーワードは””顧客感動を提供するには”です。県内大手銀行のI銀行やE銀行は入行した行員の社内教育の一環として観劇を取り入れています。そして坊ちゃん劇場の作品に関して、県の協賛企業が出資して”坊ちゃん劇場子ども舞台芸術体験サポートシステム”というものが作られています。小・中・高校生の観劇について、観劇料や移動にかかる費用を補助するという活動が行われています。”子ども達の上層教育の場”となってほしいという熱い想いから発足した坊ちゃん劇場とは関係のない後援会です。昨年度は95校、12,971人の生徒が観劇しています。KEINSとしてもこの後援活動をサポートしていきたいと考えています。
 「誓いのコイン」は1985年に松山城二之丸跡の大井戸より発掘された10ルーブル金貨にまつわる実話を題材としています(坊ちゃん劇場で公演される作品は全て愛媛県に関わりのある話が題材です)。

 物語は日露戦争時下の明治37年。四方を海に囲まれた四国、気候が温暖な松山にはロシア兵の捕虜施設が作られていました。当時人口約3万人だった松山市には、戦場からのべ6千人ものロシア兵俘虜が送りこまれてきたそうです。同市街地には、ビリヤード場や靴屋、パン屋などロシア人町ができるほど好景気に沸き、国際化していたとのこと。その時にロシア人捕虜を治療した衛戍病院(現;日本赤十字病院)の看護婦とロシア人捕虜との物語が中心ですが、単なる恋愛話ではありません。戦時中にも関わらず、当時の松山市民の暖かいもてなしの心、敵味方関係のない国境を越えた人々の気持ちのつながり(松山が好きになります)・・・私自身も涙を堪えることが出来ませんでしたが、観客の多くの方も泣いておられました。悲しい話だから涙が出るという事ではなく、映画とはまったく違う生の空間の中、役者さんの息づかい、その時にしかない表情、気迫・・・もろもろが感動となって伝わってくるからなのです。ちなみに私の隣(観劇当日も満席でした)の30代前半の女性は後半殆ど見れてないのではなかと心配するくらいハンカチで顔を覆い号泣されてました。前の席の人の話を聞くと、今日が4回目という人がいましたが、やはり泣いておられました。
 最後になりますが、「顧客感動」を提供するには、まず本人が「感動」を体験する事が最も重要だと思います。一人でも多くの社員に見てもらいたい。劇場を出る時に役者さん全員で見送りして頂きました。最後まで感動をもらいました。