コンプライアンス問題

 先週、飲食業2社に関する大きなニュースがありました。洋菓子製造販売会社とドーナツ製造販売会社です。既に報道されているように、洋菓子製造販売会社は解っているだけでも7年前より消費期限切れの材料を使って製造販売していたといいます。整理すると問題視されていることは大きく3つあります。
 (1)昨年11月には洋菓子を購入した消費者から腹痛や嘔吐などの健康被害を訴える苦情が同社に数件寄せられ、状況を把握していたにも拘わらず、クリスマス商戦を乗り切るために公表を今年1月10日まで先延ばしにしていた。
 (2)その遅れた公表もマスコミが嗅ぎつけた結果で自主的ではなかった。
 (3)公表に至っても、社長等幹部は釈明会見で、期限切れ牛乳使用の責任を現場の一作業者に転嫁しようとした。
 期限切れ素材を使用することすら問題外なのに、さらに何重もの問題先延ばし、隠蔽工作を図ったのですから大きく信用を失墜させる結果になりました。以前にもあった大手乳製品製造会社の問題が同じ業種の企業として教訓に活かされていませんでした。
 一方、ドーナツ製造販売会社は、製品に異物混入が報告され、小石であることが特定されたと14日に発表されました。自主的な発表ではありましたが、今回が初めての問題ではなく信用を無くす結果になっています。
 人の口に入る製品を製造するこの2社にとって、今回のことは企業の存続にも影響する大問題です。私たちも決して「異業種の関係ない出来事」とせず、教訓としなければなりません。