傘かしげ

 雨が恋しいにも関わらず、今日も快晴が続いている松山です。
 梅雨の時期を前にして、少し考えさせられる話を聞きましたので紹介します。
 最近は歩道にとめてある自転車やバイクも少なくありません。人とすれ違うのもやっと、という場面もありますが、雨の日に傘をさしている場合は余計に気を使います。そんなケースで最近は傘を斜めに傾けてぶつからないようにしてくれる人がめっきり少なくなったといいます。時折、背の高い人が、ぐっと傘を上にあげてすれ違う光景を見る程度で、多くの人は、真っすぐに恐れずに我が道をゆくように突進しています。
 江戸の時代に「傘かしげ」という往来しぐさがありました。雨や雪の日に、相手も自分も傘を外側に傾げて、すっとすれ違うしぐさのことです。お互いの髪や体に雫がかからないようにする心配り、気遣いがあったそうです。
 この話を聞いた時に、忘れかけていたものを思い出させてくれたように感じました。まったく知らない者どうしであれば尚更のこと、ちょっとした気遣いをすることで少し自分が暖かい気持ちになれると思います。待ち遠しいですが、雨の日がきたらこの話を思い出してください。「傘かしげ」のような心配りや気遣いが自然にできる社員であってほしいと思います。